『塩狩峠』[ 桜の下 ]181 外に出て、何歩も歩か……

外に出て、何歩も歩かぬうちに、信夫はたちまち雨でずぶぬれになってしまった。まっくらな道を、信夫は爪先でさぐるように歩いていった。思ったほど風はひどくはないが、それでも雨にぬれた、まっくらな道は歩きづらい。四年間歩きなれた … 続きを読む 『塩狩峠』[ 桜の下 ]181 外に出て、何歩も歩か……